チ。ー地球の運動についてー に今更ハマった件

雑記

チ。ー地球の運動についてー1巻より引用 作者・ 小学館/ビッグコミックス

YouTubしょうがくかeでアニメが公開されていたため見事にハマってしまい、原作も買ってしまったので久しぶりにネタバレをしない範囲で作品レビューをしたいと思います『チ。ー地球の運動についてー』は、豊田悠が描く独特な視点の漫画であり、科学や哲学、そして人間ドラマが交錯する作品です

簡単にあらすじを説明すると15世紀、P国にて12歳にして大学への進学が決まった少年ラファウは非常に賢く、孤児出身でしたが巧みな立ち回りと養父ポトツキの教育で頭角を現し周囲の羨望を得て将来を期待されるようになります。ある日、ポトツキが引き取ることになった怪しげな風貌の男・フベルトに半ば脅される形で異端とされる地動説の研究に協力させられるもののいつしかその内容に惹かれていくラファウ。しかし、彼等を嗅ぎ回る元傭兵の異端審問官ノヴァクが二人の運命に暗い影を落とす…といった感じです

物語の舞台となる15世紀中世ヨーロッパ(日本では室町時代)において絶大な権勢を誇っていた教会が行った異端狩りは多くの犠牲者を出し、言論の自由が保障されている現代とは異なり人々は絶えず教会の教えに背かないように戦々恐々として生活していく様子が描かれています

登場人物のキャラクター描写が非常に魅力的で、主人公はそれぞれの章で変わっていきますが、第一章の主人公ラファウは12歳で大学入学の資格を獲得するほど頭脳明晰で世渡りも非常にうまく、やや世の中を舐めた態度で賞賛と期待を浴びながら人生を謳歌していくのですが、異端者として捕まっていた学者フベルトとの交流で当時禁忌とされていた地動説の証明に関心を向けていきます。ですが異端審問官ノヴァクによって悲劇的な運命をたどってしまいます

第二章ではとある出来事によってラファウらが残した資料を発見したオクジ―は優れた視力を持っていた為、文字は読めないながらも破天荒かつ野望を抱き栄光を目指す天才的頭脳の持ち主バデーニと共に地動説を証明しようと動きます

以下の章でも主人公は変わるのですが巻数が8冊程度なのにかかわらず、短い出番ながらラファウに影響を与えたフベルト。非常ながらも異端以外に対しては優しい異端審問官ノヴァクや野心に燃える修道士バデーニなど裏の主人公とも呼べる魅力的なキャラクターたちが辿っていく過酷な運命の物語も見逃せないものです

作品の中で描かれる科学的なテーマは、単なる知識の伝達にとどまらず、哲学的な問いかけを通じて深い思索を促します。地球の運動が示す合理性や中世ヨーロッパにおける絶対的な権力を持つ教会が支配する過酷な社会について考えさせられる瞬間が多いため、読者はただの娯楽として享受するだけでなく人生についての深い考察を促されます

さらに、作画も本作の魅力の一つです。豊田悠の独特な荒いタッチはアニメから入った人は結構面喰いますがキャラクターの感情や動きを巧みに表現し、物語のテンポを引き立て、星空が散りばめられた夜景の美しさを感じさせる作画になっており、ラファウ、オクジー、ドゥラカが見た星空の描写は彼等が命をかけ迫害を恐れず求めていた事が納得できるほど美しく、雲一つない夜の空が拝める日には思わず天を仰ぎ瞬く星空を眺めたくなるほど圧倒される描写でした

科学的な要素と人間ドラマが見事に融合されており、知識を得る楽しさと物語を追う楽しさの両方を味わえる作品となっています。総じて、『チ。ー地球の運動についてー』は、科学と哲学を基にした人間ドラマを描き、好奇心を持つこととその危うさをまんべんなく描いており、キャラクターたちの成長や残酷な運命に翻弄されながらも真理に向かって歩み続ける姿に心を打たれることでしょう

この作品は娯楽としてだけでなく、作者の深い知識と計算されつくされた構成により思索のきっかけとしても楽しむことができる一読の価値がある作品です。興味がある方には下にリンクを貼っておきますので是非ともYouTubeで公開されている部分だけでも見て欲しいです

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アニメ本編のリンクです6/18まで公開

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