アギト‐超能力戦争‐ 感想

感想シリーズ

目覚めろ、その魂。令和に響く「神」と「人類」の叙事詩

2000年代の特撮史を語る上で、決して外すことのできない傑作『仮面ライダーアギト』その世界観をさらに深化させ、超能力という禁断のテーマに切り込んだ本作は今見返してもその重厚なストーリーテリングに圧倒されます。

​本映画でまず特筆すべきは何と言ってもオリジナルキャストの奇跡的な終結でしょう!​劇中で不器用ながらも実直に『人類の希望』を背負い続けた氷川誠役を演じたのは、今や大河ドラマをはじめ数々の名作で唯一無二の存在感を放つ要潤さんを皮切りに元祖主人公を勤めた賀集利樹さん、藤田瞳子さん、山崎潤さん、柴田明良さん、秋山莉奈さんら当時のキャストが勢揃い!脚本は勿論本編を担当し、『ジェットマン』『仮面ライダー555』で一癖、二癖どころか四癖もありそうな脚本を書いた大ベテラン・井上敏樹先生です!

国民的俳優・要潤が「氷川誠」として帰ってきた!

『仮面ライダーアギト』から四半世紀。かつて不器用ながらも実直に平和を守ろうとした一人の青年が、日本を代表する名俳優となって再び伝説の地へと降り立ちました。

現在放送中の『豊臣兄弟!』ほか『青天を衝け』や『らんまん』『まんぷく』など、時代を象徴する重要な役どころを歴任し、端正なルックスとコメディからシリアスまでこなす圧倒的な演技幅が魅力で氷川が収監されている刑務所のシーンはかなり見どころがありました。​そんなお茶の間の顔となった彼が25年という歳月を経て、再び氷川誠という役柄に袖を通す。これは単なるゲスト出演の枠を超えた特撮史に残る歴史的な凱旋といえるでしょう。

進化した戦闘シーン

ドローンを使用したG7の戦闘はアンノウンに苦戦していた初期G3と比較しても多数のギルアギト相手に連戦しつつラスボスまでエネルギーが持続するなどとアギト世界のテクノロジーの進歩を味わえます。更にドローンは敵をワイヤーで捕獲して吊り上げたり、ビームを発射したりと明らかにG3までと比較してもポテンシャルの次元が違いますし、G6は飛行可能になっていました。本作のギルアギトは基礎性能の高さに比べ超能力まで使用してくるのでアンノウンと同等かもしくはそれ以上の脅威と描かれていました…が、倒されて爆発したらニチアサなら生身の人間がゴロゴロするんでしょうがギルアギトは普通に消失していました。証人がいなくなったら氷川さんの無罪が証明できないんですかいいんだろうか?

魅力的な新キャラ

本作は敵役として多数の超能力者が登場し氷川達に立ちはだかります…が、全ての超能力者達が敵というわけではなく中には強力な力を持ちながら味方になったり既存の登場人物が超能力に目覚める…と意表をついた展開に驚かされます。新キャラのルージュや鬼頭はなかなかキャラが濃かった上に氷川が収監されていた刑務所メンバーや、味方サイド超能力者の黒谷、大山もかなりキャラが立っていて魅力的に描かれていました。大山は結構活躍するんで影のMVPと言ってもいいかもしれません

総評

いやぁ普通に面白かったです(笑)

一般の邦画レベルなどを求めている人からすればけっこう微妙かもしれませんが、アギトの登場人物が好きだった人なら楽しめるんじゃないでしょうか?しかし本作はミステリアスで硬派な雰囲気があった本編と言うより井上敏樹氏の作風の変化などもありドンブラザーズなんかに近い言い回しやキャラの味付けがされています。自分は以前パラリゲを見て後悔していたので身構えて鑑賞しに行ったら案外面白かったという感じでした。ちゃんとギャグっぽいところも笑えますし、アギトとある意味縁が深い作品の主演がでていたりとかなり小ネタも散りばめられていて見るたびに発見がある作品だと思います。上映時間も97分と特撮映画だと中だるみしそうな尺なんですがそんな事もなく、新ライダーのG7はガッツリ活躍しますし、ギルアギトの描かれ方も強敵らしくてよかったです。しかし、あるキャラクターについては筆者としてはかなり受け入れがたい描かれ方がしていたためそこは賛否両論かと思われます。というかヘイトを全て新キャラクターに押し付けた『SEED FREEDOM』って考えられてたんだなぁと思いました。ライダーのアニバーサリー作品は微妙なものが多いんですが今回はアギト25周年にふさわしい映画でした

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