ゴジラ-0.0 感想 | しょくGUN

ゴジラ-0.0 感想

感想シリーズ

画像出典:映画『ゴジラ-0.0』©2026 TOHO CO., LTD.

蘇る怪獣プロレス

本作はゴジラ-1.0(2023)の続編になります。アニゴジ3部作(2017)除けば機龍2部作のゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS(2003)以来23年ぶりになります。ゴジラは最近は初代を意識して怪獣もゴジラのみの作品が続いたので純粋に怪獣プロレスを楽しみたい筆者からすると待望の作品…だったのですが劇場に足を運ぶと単純に楽しめる娯楽作というわけではなく、戦争の悲惨さを訴える方向にフューチャーされた作風でした。いきなり地上に現れたギドラも最初はモンスターハンターのリオレウスを彷彿とさせるドラゴン型の怪獣が進化して、従来の3つ首型キングギドラに進化する点も見逃せません。ゴジラの歴史を見ると最初の相手役はアンギラスなんですが、知名度や人気的、絵の映え方等を考慮するとキングギドラが選ばれたのは残当だと思います。ちなみに銀座で怪獣用に仕掛けられた大掛かりな罠はどう考えても数週間程度で建造できない規模だと思います。まるで彼岸島ですね…

謎の怪獣・ギドラ

キングギドラは最初はいきなり地上に現れた繭状の物体が動物を取り込み遺伝子情報から翼竜型に進化するというまるでモスラ(1996)のデスギドラの設定を意識したような生態ですが、翼竜型の姿から落雷によって三つ首型に進化し、最終的にはゴジラ細胞を取り込んで背びれが生え、放射熱戦まで放つというゴジラ2000(1999)に登場するオルガ、さらにゴジラとの格闘ではゴジラVSキングギドラ(1991)のポスタービジュアルを彷彿とさせる構図が拝めるなど白組による質感の高いCGによって、怪獣プロレスも最新の映像技術を駆使した見ごたえのあるものに仕上がっています。が…作中では宇宙から飛来して現れた以上の説明はされず、バックボーンがあまりに薄いため後述の要素で地上で暴れて多数の被害を出してゴジラと戦う以上の舞台装置的な役割が否めずメイン悪役ながらやや影の薄さが否めない気がします。割と-ゴジラはリアリティのある描写が多いため、いしなり宇宙から現れた謎生物を放り込まれてもよくも悪くも大雑把な設定だった昭和ゴジラやVSシリーズと違い異物感が拭えなかったりします。まぁ、ゴジラなんていう巨大生物が現れる中でリアリティもなにもないだろって話にもなるんでしょうが

凄惨な破壊描写

本作はけっこうグロテスクな描写があるにも関わらずなぜか全年齢指定です。バイオハザード(2026)はR15指定ですがそちらより凄惨だと思います。本作は舞台設定が1949年…今からおよそ80年前の日本が舞台となり終戦から4年程度しか経過しておらず、史実では特需景気をもたらす朝鮮戦争の前年になります。そして本作には回想で原爆で破壊された広島の様子が描写され、そこには全身の皮が剥がれてうろつく被爆者や黒焦げになった遺体がぼかさずに映ります。筆者はグロはあまり好きではないのですが慣れていたにも関わらず、思わずうわ…と呟くほどでした。こんなゴア描写が描かれていたのでキングギドラが引力光線で建物や人間を浮かせて叩き落とす表現があったのですが広島のシーンが強烈過ぎて後の人死シーンが霞んでしまうほどでした。戦後の時代を描くには避けて通れないのでしょうが、これ子供が見たらトラウマになるんじゃないかと思います。こちらほどではないんですがニューヨークでゴジラが熱戦を放つシーンもかなりグロテスクでここまでやるのかと戦慄しました

おまけになった怪獣

-シリーズはリアリティある戦後の描写が特徴的で登場人物のキャラクターも立っているんですが、どうしてもそちらがメインになってしまって、怪獣達の存在感が希薄化しています。ゴジラの名を冠していながら主役のゴジラはキングギドラと戦わせるために都合よく人間に呼び出されるだけと、前作であれだけ存在感と脅威が描かれていたのに空気化しています。筆者は一応国産ゴジラは全作見ましたがここまで存在の薄いゴジラはあまり見たことがないです。ゴジラどころかキングギドラも人間ドラマの舞台装置にされてゴジラというよりも怪獣が出てくる戦争映画を見ている気持ちになりました。-シリーズの作風的に戦後の世界を描くというコンセプトがあるのはわかるんですが人間ドラマが全面に行き過ぎて怪獣の存在感が薄くなっているような気がします。まぁ、ゴジラシリーズは31作品もあるので1作くらいこんなのがあってもいいかなと思うんですが、明らかに続編やりそうな終わり方で初日も10億近く稼いでるので同じ世界観でまたやりそうだなぁと思いますが、戦争映画と化したゴジラはもうお腹いっぱいだなぁと個人的には考えています。前作は高雄や震電など旧軍由来の兵器がいっぱい活躍したのに本作はやや控えめになってしまっていまいちでした。作品自体は映像も迫力があり、まぁ楽しめましたが、それは映画館の巨大スクリーンと音響によるものが大きく配信されても見ないと思います。作品の完成度は間違いなく高いんですが、個人的に映画は楽しくあってほしいもので見ていて疲れるものはあまり触れたくないんです。それでも、あそこまで原爆投下直後の広島を描写した山崎貴監督の凄まじいまでのこだわりはすごいと思います。しかしながらこうしてみると初代ゴジラ(1954)の完成度の高さは流石だと改めて再認識出来た点は感謝ですね。

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